一大学生として高校時代を顧みる:山田良介(高37回)

(本文は、1988年6月発行の「20周年記念会報」に掲載された文章です。高校時代の夢と今の自分の将来について綴られています。)

高校を卒業してもう三年が経ってしまったけれど、この三年間は僕にとって大きな転機だった。なにしろ浪人し、大学に入り、専門課程に入りと一年ごとが大きく変化し、僕自身の考え方もずいぶん大人になったような気がする。

しかし、「将来について」と尋ねられるとまだ言葉につまってしまうのです。大学二年ともなると、現実的に自分の将来を見つめる必要があります。僕自身、大学で学ぶものに将来のきっかけを掴みかけているのですが、まだ決断し切れずにいるのです。

高校時代、僕は物理学者かミュージシャンになりたいと思っていたのです。物理学者というのは数学や物理が好きでアインシュタインを尊敬していたため、自分もノーベル賞を取るつもりでいたからだったと思う。ミュージシャンというのもジョン・レノンに憧れて、しかも毎日音楽漬けの生活を送っていたから出てきた夢だったと思う。

なにしろ高校時代は強気だったので、どちらも実現できるつもりでいたのだからすごい。

結局、どちらを選ぶかで悩み、学者を第一志望に大学を受験したのでした。

今考えると、とてつもない事を願っていたのです。ところが、今僕は二十一才となり、友人の中には働いているものも少なくない年になってしまいました。

上京し、一人暮らしを始めてやっとわかったことに、生活するためにはお金がかかるということがあります。将来と夢と切り離さざるを得ない理由はやはり金銭的な問題によるのでしょう。

高校時代のようにやりたいことだけ、興味のあることだけ追っていたのではやはり生活はできないのです。本来、大人であるはずの年令のものがこんなことを書いていて情けないことですが、将来の僕を考える上で、やはりこの点が大きな問題であると思えるのです。しかし、経済的安定のみを考えて生きていこうなどとは毛頭思っていません。

自分の納得できる仕事を、学問を優先していきたいと思っているのです。

現在、機械工学科に在籍していますが、自分のやりたいこともまとまりつつあります。

これから先、僕の意志を生かすも殺すも僕自身であるということをよく考えて、将来を見つめて行きたいと思っています。

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