懐かしのフェンシング部:前田 友行(高29回)

(本文は、1988年6月の総会時に発行された「東京香陵同窓会20周年記念会報」に掲載されていた前田友行氏の文章を転載させていただきました。)

伊豆の旅行や帰省の帰り道から眺める学び舎。ここを巣立って十年余りが過ぎた。通るたび、立ち寄ってみようと思いながら、長い歳月が経過してしまった。あの放課後の青春が繰り広げられた体育館下の部室は、今でもあの頃のままなのだろうか・・・。

僕らの入部した頃は、上級生が三十人という大所帯で、放課後のこの部屋は常に男の体臭が充満していた。部活の練習は、体育館のステージと外の側道で行われた。最初は、もっぱら側道での柔軟体操やフェンシングの基本型であるオンガート等々の反復練習の毎日で、ステージでの練習の合間に、諸先輩方が、かわるがわる丁寧に指導してくれた。このおかげで、女子には気の毒だが、全員が見事な凸脚になっていた。

試合形式の練習が始まったのは、夏が過ぎてからだった。公式の練習にも参加し、フェンシング部員としての実感が湧いてきた。 しかし、部活というのは、試合の結果がすべてでなく、人格形成にも重要である。

そういう意味では、少々厳しいが進歩的な先輩達に恵まれ、良い社会勉強をさせていただいたし、また、夏の合宿・西高との合同練習・公式の試合等を通じ、人間関係も広がっていった。ただ、残念だったのは、インターハイの団体戦で、得失点差により敗れ、出場できなかったこと。これまで常連だっただけに、なおさらである。

あれから十年余りが経つが、合宿の案内が届くたび、あの夏の暑い日、体育館の床に落とした汗と恐怖の夜が懐かしい。ともに声かけあった磯部・影島・鈴木・内藤・貴久男君、女性の方々も今は立派な社会人や主婦となって活躍していることだろう。

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